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From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

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編集作品の刊行(TOEIC教材)。

旅行記の途中ですが。

日本帰国前に,編集として携わった教材が発売となりました。

ジャパンタイムズより 「TOEICテスト リーディング徹底攻略」
(リスニングの方は携わっておりません)

ちょうどわたし自身が苦労して(?)執筆したTOEIC模試全2回のプロジェクトを終えたと同時に,こちらの依頼があったので,その流れでとても興味深く取り組むことができました。
何と言っても設問が優れているので,とてもよい教材になったと思います。

追伸:その執筆させていただいた模試はまだ世にお目見えしていません。
気長に待ちたいと思います。
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「魔法の英会話」3刷です(+裏話)。

Jリサーチ出版の「魔法の英会話」(共著)の3刷の報告をいただきました。
(部数は1刷から1万部ずつとのことです)

本書の思い入れを少し話すと,本書では,このブログでも伝わっているだろうわたくし個人の普段のこだわりが所々出ているので,一見単純に見える本ですが,要所要所で伝えたいメッセージを含んでいる作品です。

執筆過程では,当時のイギリス人スタッフと何度も面会して,細かい部分まで話しました。
(一緒に仕事するのに最適な方だったのですが,その後は忙しくなられて疎遠になりました)

例えば,
May I take a message? よりも Can I take a message? がよい(p.65)。

How much money do you have? は単発としてusefulかどうか?
なぜなら,会話中では両者間でお金の話をしていることが明白な状況が通常なので,How much do you have? となる。
ちなみにこのとき,日本人生徒の特徴として,上記の理由も含め,spendとmoney, costとmoneyなどを一緒に言う傾向があるが,実際はspendやcostにはmoneyの意味が含まれているので不自然だと話してくれました。

結果,How much sugar do you want? をチョイスした(p.55)。
可算名詞の方は,How many people are coming? をチョイス。
例えば,How many eggs do you need? というチョイスもあり得たが,これを発する状況は,話題が卵であることが普通なので,How many do you need? になる。

そして,最も力が入った単現は恐らく関係代名詞でしょう(p.138,139, 142, 143)。
このたった10文のセンテンスをピックアップするのに相当こだわった。
usefulで,そのまま使えて,そして応用が利く,という例文センテンスを選出するのが本書の目的の一つであったから。

本書は,個人的に「シンプルな英会話」の点でステップアップさせていただいた機会となり,また,本書を機会に同類のお仕事・打診も増えつつあり,非常にありがたいことです。

また,ちょうど今月,100ページ超の学参教材の執筆をしたのですが,チェッカー(元ALT,現在大学講師)から,特に中1,2で,自然な場面設定でかつ自然な英語(特に会話)の面で大絶賛をいただき,大変嬉しい思いをしたばかりで,二重に嬉しい出来事でした。
きっと本書での経験が役に立っているのだと,今ふと思いました。

今後も執筆活動を通じて,「中学英語(レベル)だけれど,(それを理解した上でさらに)実践では…」といった観点を(間接的に)伝えていくことができればと思います。

今後もよろしくお願いいたします。

正しいにほんごに苦労

少し前から英語教育に関わる雑誌の校正を始めたのですが,にほんご校正に苦労しております・・・。

例えば,
「目から鱗の思いです」
とあるのですが,
「目から鱗が落ちる思いです」
ではないだろうか…。

でも,別に前者でも正しいのであれば,赤字を入れる必要はないし…。

「目から鱗が落ちる」という成句は辞書でも例文などすぐに確認できるのでまだましだけど,ほかにも言い回しに困ることが多い。

英語の方が正誤がはっきりしているかも知れない…,と感じる今日この頃。

英語のコロケーションは,CNNやBBCのサイトで語句検索したりして使用度を確認したりするのですが(信用できるサイトで用例があればOKという判断材料として),上記のような日本語の正誤,使用度はみなさんネットでどうやって調べているのでしょう。

どなたかおしえてくらはい。。。

校正の仕事とは(今のわたし)

「校正」とは「誤りを正すこと」です。

これに,「文字校正」や「内容校正」,「内容校閲」などという用語が使われます。

「内容校正」「校閲」とは「誤りや不備な点を調べ,検討し,訂正したり校正すること」です。

「文字校正」は内容を吟味することを求められていません。
親切心,もしくはアピールで,内容に赤を入れ,非常に助かることはあるでしょうが,内容にさほど重要ではない赤をたくさん入れて,完全な誤植を見逃していれば,マイナス評価になるでしょう。


「英語教材」のお仕事がほかの教科と大きく異なるのは,言うまでもなく「英文」があることです。

「日本人校正者」は,通常,「英文校正」,すなわち,「英文の誤りや不備な点を調べ,検討し,訂正する」必要はありません。

わたしとしては,必要がないというか,日本人は明かなケアレスミスやつづりミスを見つけて正すことはできても,英文そのものを検討し,正確に正すことができるはずはないと思います。
日本人の感覚では赤字が入る部分でも,ネイティブ的には何も問題ないことや,日本人の感覚で1語変えただけで誤った英文になってしまうことなど,数多く見ています。
時に,ネイティブが書き下ろした文章にも日本人的な赤字を見ます。

ただ,(個人的には残念だと思うのですが)筆者や版元がネイティブチェックをしない教材も(特に学参で)数多くあるので,その場合は,ケアレスミスだけに限らず,英文が変だと思えば調べたり,自分のネイティブチェッカーに確認したりします。

わたしは,編集や校正の依頼をお受けするとき,英文はネイティブチェックがすでにかかっているのか,もしくは今からかけるのかなど,状態を必ず最初に確認し,相手の要望を聞きます。
クライアントが,「(しっかりした)ネイティブが書いているので」とか,「英文チェックは不要です」と言えば,ケアレスミスと,読者(=日本人学習者)が疑問に思うだろう観点以外は,多少変だと思っても何も指摘しません。

「ネイティブチェックはかけますが,おかしいところがあれば何でも書き込んでください」と言われれば,その通りに,(もちろんそれなりに調べたり検討した上で)いろいろ指摘します。

英語教材業界でも「ネイティブチェック」と言われ出したのは,ごく最近のことと思います。
世間が,より正確な英語,よりネイティブらしい英語を求めている証拠になります。
学参でも,最近では,ネイティブチェックがかかっていたら宣伝効果になる,と言われます。

ただ,異様にネイティブチェックに頼っており,NCをかけたから安心だ,と言わんばかりの人もいますが,残念ながらチェッカーの質によります。
目の前を歩いている一般人ではこの仕事は無理です。
英語の先生でも,「校正」に向いていない人にはこの作業は無理です。

そしてもちろん,ネイティブが100%間違わないのか,と言われれば,彼らも同じ人間なので100%頼れません。
見落としもあれば,彼らにとって当たり前のことがうまく説明できなかったりします。

英文誤植の回避は,通常の校正の考え方と同じく,ネイティブチェックも,複数回,場合によっては毎回別の人の目を通すことしかないでしょう。
先日クライアントから,「も~さんの仕事では英文にクレームが入ったことは一度もない」とお褒めの言葉を頂戴しました。
それはたまたま運がよかったかもしれませんが,少なからず,NCは最低2~3回,教材によって,もしくは不安が解消されるまで,4回,5回と通し続けることにつながっているのかも知れません。

話がネイティブチェックに逸れてしまいましたが,わたし自身,(相手が望む場合ですが)問題集であれば設問の善し悪し,書籍全体のバランスなど,「校正」の域を超えて「編集」の域で「校正」していることに最近ふと気づきました。
「赤字入れ」の面での編集と校正の境界線は難しいところですが,自分自身「編集者」でもあったことから,当たり前のように行っていたことが,「校正」オンリーで活動している方々と少し違う,ということに気づいたのです。

しかし,「編集」の域で校正すると,内容ばかりに気が取られて,「校正」の本来の目的である「誤りを正すこと」が疎かになる,要するに,単純ミス,明らかな誤植を見過ごしてしまう,ということになれば,「校正者」として本末転倒であることは,わたし自身痛いほど自覚しており,また重要なことであると思われます。

書籍のフリー編集者が請け負う「編集」というお仕事にもいろいろな種類があると思いますが,そういった方々の中には(当然フリーなので)1人で最初から最後までこなす方がいるようですが,わたしはフリーで「編集」の仕事を始めて以来,上記の理由などから,やはり途中で「校正者」の目を通しており,それが結果的に,より高いクオリティーの仕事になっているならば,その方法で続けていこうと思います。

どの観点に置いても完ぺきな「校正者」が存在するかどうかはわかりませんが,自分の理想像に近づけるよう,精進し続けます。
そして,自分が20年選手,30年選手,になったころどう思っているか…,それも楽しみにしつつ,現在12年選手として記録しておきます。

まとめ:
「編集」「校正」は,非常に深みのあるお仕事だと思います。

とりとめのない文章を最後まで読んでいただいた方々,ありがとうございました。

IWC NEW ZEALANDが初めてクレジットに。

今日,また別の見本本が届きました。

莫邦富事務所&ジャパンタイムズ(編)
「とっさの接客フレーズブック 中国語・韓国語・英語」
http://bookclub.japantimes.co.jp/act/Detail.do?id=1360

ふだん海外からのお客さんと接している商店や温泉旅館などで働いている人向けのフレーズ集です。
日本語が,中国語・韓国語・英語の3カ国語で訳されてあります。
口頭表現以外に,指さし表現や案内表示もあって,楽しく見ることができます。

本書では,日英翻訳とネイティブチェックを担当させていただきました。
上記2名のIWC外部スタッフのお名前と,会社としてお仕事をお引き受けしたとみなし,社名をクレジットに入れていただきました。
わたしの個人名の代わりに社名を載せるのはこれが初です!

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