忍者ブログ

From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

RSS TWITTER RssTwitter

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

さらなるアホオチ

昨夜,アホ文化を書いた後,再び床に入ったときの会話

わたし「はあ。なんや寝られへんわ」

夫「アホや」


OK,(解説)ギブアップします。
PR

アホ文化

「アホ」っていう言葉は奥が深い。
うちの夫の口癖の一つを,外国人の大阪弁学習者向けに解説してみよう。

女:「見て。泳いでるで。寒くないんかな」
男:「だってあいつらアホやもん」

場面:
冬が終わって春になりかけている頃,ビーチを通りがかる関西人男女。
海で泳いでいるニュージーランド人を見かける。

解説:
「アホ」は「頭が悪い」という意味ではないことが多い。
この場合,泳いでいる人たちを見下しているのでもない。
このように関西人は「アホ」を親しみを込めて使う。

この「アホ」を敢えて訳すなら,「だってあいつら無神経やもん」となるかもしれないが,それだと完全にネガティブな形容になってしまい,悪口に近くなるので,ニュアンスがだいぶ変わる。
「アホ」を使うことによってやんわりと一般論で片づけてしまい,親しみがこもっていることが伝わる。

ちなみに,日本語では主語がないことが多いが,すべて主語を使って標準語風にするとこうなるだろうか。
女:「あれを見て。彼らは泳いでいるよ。彼らは寒くないのかな」
男:「彼らはアホだからそんなの関係ないんだよ」
「泳いでるで」の主語は,「泳いでいる人たち」であり,両者の間で認識されているので自然に省略される。
そしてその主語は,男性の「あいつら」という発言より,複数の人間が泳いでいることが推測できるが,この場合は特に「あいつら」=ニュージーランド人全体を意味している。


「アホ」のイディオム:

1.アホか。
-形は疑問文でも下げ調子で読む(2.同様)。
下げ調子で言うときは「あなたはアホですか」という質問ではない。
相手の言ったことを軽く否定したり馬鹿にしたりする相づちとして覚えよう。

2.アホちゃうか。
-1.に「ちゃう」(=でない)という否定を含んだ表現。
トリッキーだが,1.と大きな意味の違いはない。
決して「あなたはアホではないですか」という意味ではない。

3.アホや。
-「あいつはアホや」のように,主に三人称に対して使う。
「あの人はアホですね」に近い。
例えば,テレビでお笑いタレントが極寒の中海に飛び込んでいるのを見て「(こいつ)アホや」のように使う。
ただし,タレントの頭の悪そうな発言を聞いて,「こいつアホや」と言えば,「こいつ頭悪いな」という意味になる。
なお,自分のしたことについて,「アホや」と言えば,「アホなコトしてしまった」という意味だ。

4.アホらし。
-「しょうもな」に近い。
相手が言ったことを馬鹿にしたり,信じない様子を表すときにも使う。
注! 「アホらしい」は別の意味になるので,「アホらし」の「し」は伸ばさないように気をつけよう。
「あいつアホらしいで」(=あいつはアホと聞いている),「アホらしい考え方」(=つまらない考え方)のように使う。

5.アホ丸出し。
-「アホを丸出しにしている」の略。
滑稽な様をさらけ出している人について,「アホな様子をさらけ出している」という意味で使う。

なお,女性は上記の「アホ」の多使用に気をつけよう。
例えば,「アホなことせんといて」(=馬鹿なことはしないで)など,女性が使っても自然な言い方は多い。

こんなことを突然書こうと思って起きているわたしがいちばん「アホや」。

美味しくないご飯を食べたとき何という?

先日聞いた話,ニュージーランド人がレストランで食事をした。
そのレストラン(の味)はどうだったかと聞くと,
It’s OK.
と言ったらしい。
地元に長く住む日本人によると,
It’s OK.=結構まずい
ということらしい。
OKなのだから,「まあまあ,悪くはない」くらいのニュアンスかと思ったら,かなりの不満と思っていいらしい。
なんと控えめなことか。
 
前も書いたけど,ここの人たちは,相手が知人・他人にかかわらず,人や物をよく褒める。
食事中でも,美味しくないものでも「おいしいわね」と言って笑顔で食べる。
食事団欒の雰囲気を壊さないためと思っていいだろうけど,それが自然に行える人たち。
レストランや旅行の感想を聞いたときも,良い点だけを言う。
コミュニケーションは笑顔で,というそんな印象の人たちだ。
それでもって笑顔の裏で何を考えているのか…なんて,言うことと思うことの表裏を心配する必要はない。
なんと純粋で,かつ素直な人たちか。
 
一方,食事に関して,関西人は違う。
まずいものはまずいと言う。
そして,食べ物の恨みは大きい。
 
藤本義一さんの言葉を一部お借りすれば,
東京人の会社での朝一の話題が
「昨夜のテレビ」
だとすると,関西人(大阪人)は
「昨夜まずいご飯を食べさせられた」
という話があり得る。
そして,それを聞いた関西人もまた,「どこ」で「何を」食べたのかを事細かに聞いて,その店には行かない。
逆に,信頼する人から聞いた美味しい店は行く。
美味しい店には,短いランチタイムで,タクシーに乗ってでも行く。
気の短い関西人も,美味しい店だけは行列をなして待つ。
広告や雑誌を信用しないのも関西人である。
自分の舌で確認してはじめて美味しい店と認める。
だから,よその人が関西(大阪)で飲食店をするのは覚悟がいる。
 
子供がよその家にご馳走になったときは,何をご馳走になったかだけでなく,美味しかったかも聞く。
そうやって子供の時から敏感な味覚は育っている。

また,大阪人は外食よりも美味しい食材を買ってきて,家で食事をするのを好むと聞いたことがある。
大阪は東京ほどでなくても多彩な食事が外で食べられるので,初めはピンとこなかったが,今それがわかる。
ここニュージーランドでは美味しいお店を探すのは困難だ。そしてコストパフォーマスが悪すぎる。
一食一食にこだわり,まずい飯にお金を払うことほどアホらしいことはないと思うのが関西人である。
なので,移住して最初の数か月はいろいろ探検・冒険したものだが,今ではもっぱら美味しい食材を買ってきて家で作って食べることがほとんど。
美味しいレストランはなくても,美味しい食材はいっぱいある。
 
話戻って,再三言うように,旦那とわたしは典型的な関西人であり,東京に住んだことがあっても未だその血は変わらない。
まずい店は二度と行かない。
並の味でも高くて割に合わなければ行かない。
逆に,遠い,店が汚い,小さい,店員の教育なっていない,でも本当に美味しい店は何度でも行く。
感想を聞かれれば,まずければまずいと正直に言う。
 
でも,ニュージーランド人の目からは,批判ばかりする人は変に映るかも知れない。
It’s OK.の話を聞いて,わたしたちは文化の違いにややビックリした。
なので,わたしたちニュージーランドに住む関西人としては,どちらの文化も尊重し,今後,レストランに限らず,感想を述べるときは,地元の文化に乗っ取って,まず良い点を挙げて,それから本音を添えるようにしたほうがよいと思った。 

大阪人はすぐに値段を言う?

大阪弁ダイアローグ

「わあ,ええかばん持ってるやん」

「そうやろ? これ安かってん。3千円やで。見えへんやろ?」

「うそやん!」

大阪では,当たり前のような日常会話です。
よその人が聞いたら少し変かもしれません。

そう,かばんを褒めらたのに,なぜ値段を言う?

大阪人は,どうも,ものを安くで買ったことを自慢したがるようです。
そして,「~円もしなかった」とか曖昧でなく,覚えていたらストレートに値段を言うのも大阪人。
さらに,セール品だったなら,
「ほんまは1万円すんねんけどな」
とかモトの値段まで言いかねない。

また,聞かれた方だけでなく,褒めている人も大阪人だったら,いいかばんを見たときに,
いくらすんねやろ?
と心の中で思ってる可能性は大です。

これが例えば東京の人なら,いくらで買ったかは聞かれない限り自分からはあまり言わないでしょう。
ましてや,見た目にしては安かったなんて恥ずかしくて言わないでしょう。
中途半端な友人なら,いくらしたか聞かれたら逆に失礼だと思うかもしれません。

前回帰国時に,麻布十番で気に入ったかばんがあったので買って帰りました。
個人的にはブランドのバッグはあまり興味なく,その店のオリジナル商品でした。
先日,ニュージーランドで日本人のデザイナーにそのかばんがいいねと言われ,
「いいでしょう?」
と言って見せていたら,隣にいた神戸出身の旦那がすかさず,
「そんなに高くないしなあ」
と参加しました。
関西人ではないそのデザイナーの人は返事しなかったので,ああ,関西のノリや。
と思いました。

私もそのときは,
別にわざわざいわんでええのに…。
と思ったのですが,関西人の血筋には勝てませんわ。
神戸出身もそうなのだから,これは大阪人でけではなく関西人の傾向と言っていいでしょう。

こういうときは,安くで買ったことを自慢したいというよりは,かばんをいいと思われる=結構高いものと勘違いされるのを否定したい気持ちが大きかったのかも知れません。
相手は何とも思ってなくても。

ちなみに大阪人は,ブランドであろうとなかろうと,「バッグ」ではなく「かばん」という人が圧倒的に多いのもおもしろい。
えっ? 世代による?
わたしは,英語でbagを日本語に直すときは必ず「バッグ」ではなく「かばん」と訳します。
一種のこだわりかも。
「日本人としての誇り」というよりか「大阪人としての誇り」を大切にする今日この頃。
そう,藤本義一さんの著書にもあるように,大阪は日本国ではなく外国なのかもしれない。

大阪弁講座:
探偵ナイトスクープでもやってましたが,大阪弁の
「うそやん!」
は相手を信じていないという意味ではないので,関西以外の方は不快に思わないように注意。
一種の決まり文句で,「そ」にアクセントを置き,文尾は下降調子で読みます。
はい,発音してみましょう!
| HOME |
Clear