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From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

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校正の仕事:補足

補足と言いますか,一部は言い訳なんですが。

昨日,ブログでさんざん校正の仕事について語りましたが,あまりよく知らない人は,じゃあ,も~さんは相当にいい原稿を書くんだと思うかも知れません。

ですが,それとこれとはちょっと違うんですね。
校正と執筆って結構違うんですよ。

人の原稿は何とでも言えるが,いざ自分がいちから書き起こすとなると,同じようにはいきません。
できあがった文字を見るのと,真っ白から文字を作るのでは,根本的に違うと言えばいいでしょうか。
そういう意味でも,執筆者・編集者・校正者のトライアングルが大事なんですね。

---- いや,ホントの話,執筆者(原稿)がよくても編集が悪ければ原稿も台無しになるし,
逆に,原稿がいまいちでも,編集者が良ければいいものができるんですよ。
そういう例をいっぱい見てきました。まだたかが10余年ですが・・・。
さらに,執筆者も編集者もいいのに,性格や価値観などちょっと相性が合わなければ,いいものはできないんです。

自分でも,原稿を書き上げて,何度も見直して,よし!
と思って提出しても,初校でゲラとなれば(組み上がれば),
たぶん,「校正者の目」に変わるんだと思います。

「えっ? この文章は自分で書いた?」

なんて,原稿を振り返ることも多々あります。

書き終わってからだいぶ月日が経っているときなんか特にですね。
その間にもいろいろ学んでたりするし・・・。

出版社内の編集者はほとんど執筆経験はないですよね(ここで言う執筆は,一部とかリライトじゃなくて,真っ白から全部書き起こすコトね)。
だから,担当の筆者が途中で修正入れると,原稿の質が悪かったんじゃないかと思ってるかも知れません。
まあ,それも一理あるんですけど。。。

逆に,筆者の中でもそういうことはあり得ないと思う人もいるかも知れません。
今までにほかの筆者の方の本を編集させていただいた中では,ほとんどの人が組み上がってからもいくらか修正されますが,ジャンルによってもありますかね。
教材なんかは,特に問題・解答解説系の本は,たいてい最後までなんやかや修正は残りますよね。

いずれにしろ,これからも,執筆者・編集者・校正者として,どれもまんべんなくするという方向で行きたく,それぞれの分野で学ぶことを別の分野で生かすのが目的と思っています。
ただ,数十ページ~数百ページのものを,「執筆」兼「編集」(自分で書いた本を自分で編集)は,いろんな意味でやっぱり厳しいかなという気はします。
一長一短ですけどね。
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校正の仕事

校正のみの仕事をすると、たぶん担当編集者は、わたしの朱字・青字の量と内容(理由とか代案)で「ひぇ~」と思っていると思います。
過去に、最終段階でかなりの朱字を入れたとき、その次からはその版元からは初校段階で校正が来るようになりました。
原稿であろうが三校であろうが、「今更そんなに直せないよ~」という悲鳴が聞こえそうでも、とにかく朱入れます。仕事ですから。「甘い!」ものが多すぎて、見て見ぬふりはできかねます。
 
でも、例えば、著者の意見や信念、テイストがあるようなものはそれを変えて自分のテイストにすることはまずありません。それは校正者としての基本の一つです。
逆に、編集者に自分の原稿をそうされたときは精神的に参りました…。「あなたが著者ですか?」って思うわね。
でも、これも難しいところですね。完全放置(著者ワールドオンリー)もどうかと。「えっ? 修正なし?」-最後までアドバイスなし。みたいな。。。
すべて、「程度」と、筆者と編集者の「信頼」の問題ですね。
 
もう一つ、「(校了前だから)決定的な間違いのみお願いします」というのはいつも不思議です。
そんな校正の仕方って…。だって、「かなりおかしい! 直すべきだ!」と思っても書いちゃいけないかなって思わせてるじゃない?
とは言いつつ、出す側の立場になれば、「分かる!」なんですよね~。だって、細かいことは物理的に本当に直せないんだもん…。
でも、「決定的な間違い」なんて、人それぞれの価値観にもよるし、青字で書かれた修正が人によっては朱字相当に感じることもあるわけで…。
わたしなりの結論は、校正者に制限するんじゃなくて、朱字(+青字)の中から「決定的な間違いのみ」編集者が取捨選択すべき。
そして! (耳が痛いとは思えど)編集者にはその取捨選択すべき能力を持っているべき。なんですよね。
もちろん、中国語だの、数学書だの、専門書とかにはあてはまらないと思いますが。
 
わたしの場合、特にネイティブチェックに関してですが、とにかく朱字が多く、筋が通っている人に早い段階で出して、とかく原稿を尊重しがちだけど間違いは拾ってくれる人には最終で出します。
だって、ネイティブチェッカーの朱字を難なく取捨選択し、その修正の影響を加味して全体のバランスを調整できるくらいの能力があるのはネイティブだけでしょう。
 
実は、個人的には、執筆よりも校正の方が楽しいことが多いですね。
それを出版社で言うと、信じられへん~という反応をされますが。
分かる人には分かると思いますが、いわゆる、いや~な性格ですね。
 
ですが!
人の原稿を真っ赤にするわたし自身も、優れた翻訳者なんかに原稿校正を出したら、鋭いツッコミで痛い目に遭います。
 ツッコミマシーンにも上には上がいるってね。

例えば今日はこんなの。
 
Sorry, I'm late. 「遅れてゴメン」
 
オーケーですか?
 
→Sorry I'm late.=「遅れてゴメン」

詳しくは「ネイティブチェック21」へ!
 
 

著書の出版報告

無事本が出版されましたので,僭越ながら報告致します。

8/26発売
語研 「まずは500点突破! 新TOEIC TEST リスニングスコアアップ大作戦」

http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-87615-179-0.html

タイトル通り,TOEIC初級者用です。
思い起こせば,この本は企画を正式にいただいたのが2年前の秋でした。
同出版社の「もう一度始める英文法ドリル」を先に取り組んだという事情はあるものの,トータルでは長かったですね。
執筆着手から校了までの間に自分自身の成長を感じるほど長期決戦でした。
Part1で写真を計20枚使っていますが,わたしは写真は常に自前です。
身内の方は,ああ,あのときの写真ね,とかわかるかも!?
今度どこの写真か,詳細をブログアップしますね(マニア用に…)。

8/27日発売
Jリサーチ 「英検2級学習スタートブック」

http://www.hanmoto.com/bd/isbn978-4-901429-73-3.html

こちらは前回の準2級に引き続き同じシリーズですが,内容はパワーアップしています!!

そのほか今月発売となった主要なものを紹介します。

旺文社 「英検予想問題ドリル」 改訂新版

このシリーズでは,3級,2級,4級で執筆させていただきました。
3級は全面執筆,2,4級は問題提供というカンジです。

フ~~。
これで,昨年7月の移住前から続いていた企画はすべて"フルストップ"となり,心機一転この土地でコツコツとがんばりたいと思います。

最後に,各本でお世話になった方々に,改めて心よりお礼を申し上げます。

そして,今後とも入江泉をよろしくお願いします。

よい本とは

日本ではニュージーランドでは考えられないほども学習書なるものが市場に出ていて,「自分にあった」本を選ぶのが大変だと思います。

よい本とは人によって違いますよね。
例えば,Z会をやっていた兄からすれば,イラストがふんだんにある進研ゼミをやっていたわたしが信じられないように…。

過去にある大手出版社から,既に売りに出ている本のネイティブチェックを頼まれたことがあります。
そういうこともあるのは,多くの出版社を見てきまして,やはりたくさんの本を限られた人数で作るのに〆切に負われる日々を過ごし,1冊1冊に時間をかけて,その本だけに集中することができるのがいろんな意味で難しい環境にあるのが現状ではないかと思います。
もちろん,会社によってそれぞれですし,1年以上かけて作る本もありますが。

誤植などはもちろんないほうがよいですが,例えばわたし自身とても勉強になったある日本人の方が書かれた英文ライティング用の書籍がありますが,確かに不自然な解説やほかの矛盾した解説など見受けられますが,それに対して不満は感じず,この本を買ってよかったと思い,さらにこの著者のほかの本も読みたいと思いました。

まだまだ学ぶべきことはたくさんあり,奥の深い仕事ですが,わたしも買ってよかったと思っていただける本がたくさん書けたらいいなと思います。

著書が発売になりました。

こんにちは。
こうやって著書発売の報告ができることを光栄に思います。

J
リサーチ出版さまより「JMOOK 英検準2級学習スタートブック」
三修社さまより「ニュージーランドホームステイの英会話」

いずれも書店で売られている様子をこの目で見られず、なんだか変なかんじです。

機会があればエピソードなどをまたブログにアップしたいと思います。
まずは無事刊行でき、ご協力いただいた方々に改めて深くお礼を申し上げたいと思います。

今後もよりいいものが作れるようにがんばりますので、末永くよろしくお願いします。
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