わたしは最近,
「実際の英語」 と 「中学英語の英語」
という言い方をします。
どちらがよいかは賛否両論です。
中学生の時からが実際の英語を学ぶべきと思う人もいれば,日本人にわかりやすい英語,初心者にわかりやすい英語がいい,という人もいるでしょう。
まあ,所詮わたしは前者で貫いているわけで,後者の人たちとは気が合いません。
前者にこだわる人だけと仕事をしたい。
世の中がそういう風潮になっている気はしますが。
ここに典型的な文があります。
1年の一般動詞の導入にありがちなこの例文。
What do you study? - I study English.
1.「あなたは何を勉強しますか」「私は英語を勉強します」
2.「あなたは何を勉強していますか」「私は英語を勉強しています」
和訳は1であれ2であれ,「実際の英語」を知っている人なら選ばない英文です。
studyを辞書で引くと,動詞第1義は「研究する,調べる」です。
英語では,If you study, you spend time learning about a particular subject or subjectsと定義されます。
「研究する」なので,中高生対象に使うとにはたいていおかしくなります。
I study Japanese history at university.
のように使います。
What do you study at school? - I study Japanese, English, math, and so on.
ならよさそうです。
上記の最初の例文のように,中高生対象なら,1科目だけI study English.というのはおかしなことです。
また,上の訳2に相当する英文は,
What are you studying? - I'm studying English.
です。
と,ここで,某教科書に着目です。
確かに,1年一般動詞の基本例文として
What do you study? - I study science.
とあります。
でも,みなさん,たぶんココしか見ていません。
本文を見ると,これを答える立場の人物は「大学生」の設定で,ちゃんとI study computer science.と言っているのです。
なのに,この基本文はたいてい中学生向けに訳されることになり,
「あなたは何を勉強していますか」「私は理科を勉強しています」
となり,矛盾が出てくるのです。
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