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From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

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教材作成者の知識は十分か?

ある中学教材の対話文で「会社名」をthe company nameと書いたのですが、複数の日本人校正者から、the name of the companyまたはthe company’s nameではないか?という指摘があった。
 
確かに中学では「名詞+名詞」を「文法」として取り上げないかも知れない。
でも、summer vacationやtelephone number、picture book、cake shop、sushi restaurantなどは中学レベルと判断されている。
境界線はどこにあるのか?
今回はcompanyを注釈で「会社」としていたのもポイントだったかも知れないが、わたしがもし校正側で中学生に分かりやすくすることが前提なら、「英文を尊重」して、注釈をcompany name「会社名」とするか?という指摘チョイスもあったと思う。
 
これに限らず、指摘は執筆者に大きな影響を与えています。
書き方次第で、相手に知識不足と誤解されず、逆に「お主もなかなかやるのう」と思うこともあります。
 
今回の指摘内容が知識不足によるものかどうかは別として、
「中学英語に凝り固まっている指摘」
が本当に多い。
 
でも、わたしも過去に幾度となく知識のなさをさらけ出していたに違いない…。
不幸なことに、校正者というのは、指摘自体の誤りや思い込みなどにフィードバックがないため、いつまでも自分の知識不足に気づかない。
さらに編集者が知識不足による校正者の朱字をご丁寧に全部反映してくださる。
 
一方執筆者は、書く内容の知識があることは当然のことで、執筆者としての責任です。
あるイベント報告の記事を書く仕事を受けたなら、執筆者はそのイベントの歴史から事実確認まで隈無く調べる責任があるのと同じです。
知識不足の執筆者はあり得ないことは大前提であり、わたし自身も含めて執筆者は常に知識を増やす向上心をもっているのは当然のことです。
 
しかし執筆者も人間ですから、文字や内容に間違いを犯します。
そこで、誤りを探して正す「校正者」が必要なわけです。
問題は、その校正者の指摘・朱字が間違っている、そして編集者もその判断ができていない、最悪なパターンは執筆者が知らない間に原稿が化け物化している、という事態が珍しくない中学英語教材作成業界…。
 
作成に関わる全員の知識量の底上げ、作成過程などをもっと真剣に考え、改善する必要があると、わたしは思います。
 
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教材作成者の知識は十分か?
わかりますー。
恐らく,英語に限らず,
どの教科にも言えると思います。

複数の校正者さまの赤をまとめる仕事をしたとき思ったのが
ただ,何かしら書かないと・・と入れた赤と
本当に知識があって入れた赤と
本(準拠)を作るという立場を考えた赤と・・など
数種類の校正の仕方があるなぁということ。

その全てをまとめる作業が,とても難しいです。
編集者の力量が問われます。
日々精進しなきゃ・・ですね。
くろもあ 2010/01/11(Mon)13:37:39 編集
赤字の重み
をもっと感じた方がいいと思う方は多いですよね。
あと,「~ですか?」という自身のない指摘やコメントばかりの人。
でも,無責任だけど書くか?見過ごすか?の選択に困ることもありますが,疑問出しはした方がよいと判断すれば,結局「?」ばかりになったり…。
難しいです…。

あと,敢えて書かなかったのですが,出版社に勤める編集者さんは,忙しすぎて勉強する余裕もないことがほとんどで(もちろん言い訳に過ぎないと言いたいところもあるのですが…),結局は,執筆者と校正者の質がよければいいものができるはず,という考えに,わたし自身今は落ち着いています…。
も~ 2010/01/11(Mon)14:19:28 編集
ふりまわされる編集者
出版社の編集サンにも困ること多いですよね〜。
多分,イチバンいろいろな「声」をきける環境にありながら,ふりまわされている人がいますよね〜。
その「声」が正しいかどうかの見極めができずに「振り回されている」感がありそうな〜ーー;
なつぷる 2010/01/11(Mon)14:35:35 編集
難しい問題だわね~
結局「優れた編集者さん」はどこ~?という話に落ち着くのかなあ…。

執筆者は校正者を選べないし,その逆も無理。

となると,この執筆者にはこの校正者,というような相性の見極め…それも編集者の大事な仕事ですね~~!?
も~ 2010/01/11(Mon)14:50:27 編集
評価方式も問題あると思います
会社によって,校正者がどれだけ朱入れたのか査定するところもありますよね。
システムとしては ええと思うのですが「査定で引かれないための朱」におちいったところも・・・と思う朱が多い感じもします。
「とにかく朱を多く入れないと査定にひびく」とばかりに確証のない疑問系な朱を多く入れる校正者とか,商品内容を反映せずに,偏った知識で内容吟味を入れながら簡単な誤字脱を落としてしまう校正者などなど・・・

難しいですよね〜
なつぷる 2010/01/12(Tue)09:51:41 編集
理想はある?
すごいですね。
朱字の数だけでなく質も査定してフィードバックしているのでしょうか!?

先の日記で挙げた「校正のこころ」という本で深く共感した部分があります。

「・・・資料収集や疑問出しは,校正者の自己満足におちいる危険があることをいつも心にとどめておかなければなりません。さもなければ『重箱の隅をつつく』と批判されるような,『木を見て森を見ない』校正におわってしまうだろう」

経験上,重箱の隅をつつくタイプは,重要な誤りを見落としがちです。
少なくともそれでは校正者としてダメですよね?
一方,こうしたら良くなるという観点では一切手を加えないタイプは真っ白ですし。
(わたしはどちらかというと前者よりです…)

こればかりはどれが良い悪いはなくて,違ったタイプに同時に見てもらうのがいいと思いますが,なかなか…。
も~ 2010/01/12(Tue)12:54:32 編集
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