忍者ブログ

From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

RSS TWITTER RssTwitter

[PR]

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

日本語を介さない作問(it, one)

昨日の記事をカテゴリーに入れることにしました。

日本語を介さない英語教材を考えていきます。

中学1(~2)年レベル。下線部を問う問題。

(長文の一部と仮定)

Hi, everyone.  I'm Hideo.  This is a picture of my family.  I took it when we went to Kyoto.

問 下線部itが指すものを答えなさい。

日本語で答えさせたら,「写真」「秀夫の家族の写真」など。

この答えの解説を書くとすれば,
「下線部のitは前文のa picture (of my family)を指す」
といったところでしょう。

しかし,「下線部のitは前文のpictureを指す」という解説も見られる。
冠詞に注意深い人はaも含めますが,it = pictureという式もテクニカル的に変です。
「=」がisならば,it is pictureと言えないからです。

日本語の間に英語を入れることによってitや冠詞に鈍くなり,曖昧にもなります。
日本語には冠詞や名詞の単・複がないので。


oneではどうでしょう。

We have some apples on the table. Would you like one?

問 oneが指すものを答えなさい。

日本語で答えさせますか?
「リンゴ」が正解です。
(このレベルで「1つのリンゴ」なんて答えがあったら感心です)

英語で答えさせると,
「an apple」が正解ですが,このレベルではsome applesとか単にappleなどと書いてしまうでしょう。
some applesは×ですが,appleは○にするの? △なの?
わたしの経験上,こういう場合はふつう英語で答えさせない,答えさせたとしても,appleは△で,と。

ああ,面倒くさい。

だから日本語で答えさせる?

そうではなく,選択問題でいいと思うのです。

問 What is "one"?
a  an apple     b some apples     c  a table

oneが何かを日本語で考えて日本語で答えさせるのではなく,あくまで英語で考えさせます。

ここは指す内容を問うのがポイントなので"apple"という錯乱肢は不要です。
oneは「1つ」で,bとcが誤答とわかればaが選べます。
勘のよい子はappleではなくan appleだと気づくだろうし,気づかなくてもいいです。
消去法であってもan appleを選ぶことによって,one = an appleが頭に入ればそれで十分です。
その「繰り返し(スパイラル)」でoneは「a/an+可算名詞」を埋め込んでいきます。
理論を知らずして,「そういうものだ」と思わせるには,ひたすら繰り返すことです。

当然,不定代名詞「oneは可算名詞の1つ」をポイントにする場合,不可算名詞を絡めたりしてまた別の問題になります。

なお,oneの"日本語"解説でややこしい点として,例えば上記の英文で言うと,
「oneはappleの代わりに使われています」
「oneはan appleを表しています」

日本語を介した解説,いかがかな。

公立高校入試でも設問リード文以外は選択肢も含めてオール英語,解答も英語記述と選択記号のみというところがありますが,とてもいいと思います。
普段の教材からやっていくべきだと思います。

紙面に日本語が見えないと見た目が難しくて手を付けない?

だったら,イラストを使いましょう。
PR

英語を英語で学ぶ教材開発

高校の新指導要領で「英語で授業を行うことを基本とする」ことが始まることは当然知っていますが,わたし自身,直接的な影響はまだありません。

その蚊帳の外で,自ら「英語を英語で学ぶ教材」の作成を昨年から始めていて(構想はもっと前からあったんですが…),かなり楽しいし,やりがいもあります。

(遠い?近い?)将来,日本でも英語で英語を教えることが普通になる時代を想像して,これからはこの路線を延ばしていきたい。高校だけでなく,中学でも,いずれそうなる。

例えば,今の中学の教材では,リード文でも設問でも和訳でも日本語は欠かせない。
紙面の何割が日本語であろうか。

Are you from Japan? 「あなた(たち)は日本出身ですか」
My sister lives in the U.S. 「私の姉[妹]はアメリカに住んでいます」

youは「あなた(たち)」と,sisterは「姉[妹]」と訳さなければならない。
日本語を介すると,こんなことで引っかかる[面倒に思う]部分が多い。
当然です。日本語と英語はイコールじゃないのですから。

英語を学ぶとき,同時に英語圏の文化や考え方も学べます。
と言いますか,恐らく,外国語はその国の文化・考え方に基づいて理解すべきなんでしょう。
なので,英語を日本語(日本人の考え方)に置き換えて理解することで遠回りになっている部分がある,とつくづく感じます。

sister, brotherの例は,英語スピーカーは私たちのように年齢を重要視しないという文化・考え方を証明していると言えそうです。
イコールで表すならば,あくまでsister=姉妹,brother=兄弟であり,区別するとき以外は,elder sisterやyounger sisterなどと言いません。

英語だけで教材を執筆する経験をして以来,学参だけでなく,日本語を介する従来の教材を書くことに益々思うところがある今日この頃です。

インターネットで海外生活は昔と大違い

インターネットが発達している時代,「海外在住」もひと昔前まるで違います。

日本にいてもほとんどテレビ,ニュースを見ない人がいるわけで,海外にいる人のほうが日本の今をよく知っている,ってことは容易にあり得る時代。

わたしはITも疎いし,決してニュースにアンテナを張っているほうじゃないけど,いくつか例を挙げてみる。

1.

DSC03941.JPG

















わたしは1日のほとんどをPCと向き合っている生活なわけですが,画面右に日本のニュースが常にアップデートされます。
チャーチの地震の時,ここのニュースはそれ一色でしたが,日本の大地震の瞬間からすべてそちらに移行。
その瞬間を実感しました。

数週間,ほぼ100%そのニュースが流れていたので,日夜,PCに向かっている間は常に最新の情報を横目でチェックしていました。

2.ロケフリ

日本のテレビをオンタイムで見られる優れもの。(販売中止になったらしい・・・)
ベース本体が夫の実家神戸にあるので,番組は関西です。
ここニュージーランドでリモコンを動かせば日本の機械を操作できるんです。
普段は,主に録画したビデオを見るのに利用していましたが,震災の時はライブを見るのにフル活用でした。
ご飯を食べるときは常に日本のテレビを見ていたので,ある意味,昼間,会社通勤している人よりも生の情報を見ていた状態です。

しかも,時差が日本より先行しているので,こちらの朝一でテレビを付けると,日本は朝の4時とか。
その時間帯のニュースを見るということは,前夜や夜中に起こった出来事を,日本の人たちが朝起きて初めて知るより先に知っている,という状況です。

3.ラジオ
仕事中,音楽を聞きたい気分の時は,iTunesのラジオでクラシックかジャズを流しています。
いずれもアメリカのラジオなので,コマーシャルの時はアメリカのニュースが流れることになります。
アメリカ国内の出来事はほとんど聞いていないけど,今でも,日本の放射能や余震のニュースが流れています。

あまり詳しくないわたしでさえもこんな感じなので,インターネットを最大限に利用している人はもっとすごいに違いない。
第一,わたしは携帯を使わないんです。
緊急用としてだけ,プリペイが存在しています。
携帯でインターネットはわたしには無理。。

問題は何だろう?

インターネットすら何かよくわかっていないわたしの親からしたら,いまだに
娘が海外に行ってしまった=日本を忘れてしまう=ニュージーランド人になってしまう
といった式が頭から離れません。
特に,20年以上前にアメリカに旅立った姉がいるので・・・

その頃とは全然ちがうんやでって,説得するんだけど,やっぱり難しい。
いかに日本的な生活をしていることか。
昨夜,母親から電話があって,夫が大阪の橋本さんの話をしたら「うちらよりよー知ってる!」って感激したらしい。
だいぶ安心したみたい。

逆に,日本が身近すぎて,懐かしいという気持ちがさっぱり湧かない。
もしかして,これが問題?
仕事もオール日本だし。

そう。
日本を出た=日本を捨てた の式だけは違う。
今も(これからも)日本のために仕事をしている。

はぁ,やっぱり時々日本に帰らないと・・・

とは思うけど,なかなか。。

繁忙期です。

中学英語業界は教科書改訂作業で繁忙期に入っています。
わたし自身は"いろんな"先取りで昨年から酷使されているのですが。。
ここ1,2か月はいろんな物・人を酷使する側の気も・・・。

当面,定期的に日記を書くのは難しくなるのかな。
書きたいことはいっぱいあるんだけど。

(日本の)夏までの唯一の予定は,6月のウェリントン。
ソニー・ロリンズのコンサートで。

日本語で何かつぶやきたいときはmixi,英語で書きたい気分のときはfacebookを利用させてもらおう。

http://www.facebook.com/profile.php?id=736610730&ref=profile

全然使いこなしていないけど,このネットワークはス・ゴ・イ。

陪審員の呼び出しが来た

全く急なことです。

昨日,裁判所からJury Summonsの通知が来た。
このニュージーランドのJury Servise制度,リストにある人物から任意に12人選ばれるようです。

5月23日に出頭せよ,との告知。
その週1週間,長くて4週間になるとのこと。
働いている人は仕事を休まねばならず,出席した分のfeeや交通費,育児費用なども出る。

また,出頭しても陪審員に選ばれないこともあるとのこと。
要するに,この通知が来ているのは12人以上いるわけで,当日その中から12人選ばれるということだろう。
選ばれなければ,その日一日傍聴で終わるとのこと。

確かに永住権を持っていてニュージーランドの国に貢献したい気持ちはあるけれど,とてもじゃないけど責任が重すぎます。
完全に理解しないで人の人生を判断する? いや,それは…
できれば辞退したいところです。

資料によると,義務ではあるが何らかの事情で免除の申請もできるようだ。
でも,65歳以上や健康上,宗教上の問題など,相当な理由がないと難しそう。

免除可能なリスト以外の箇所に,英語が十分に理解できない人は相談せよ,とあります。
すぐ下に,マオリ語,アラビア語,中国語,ヒンズー語,韓国語,フィジー語など13か国語でたぶんそう書いてある。
ヨーロッパの言語や日本語はない。

実際に陪審員になれば,裁判の内容を全部正確に聞き取り,その後guilty or not guiltyの判断をしなければならない。
その細かい過程については書かれていない。

英語の理解についてこうある。

「もしあなたが英語でのグループディスカッションで理解ができ参加できるなら,恐らく陪審を務めるに十分理解できるだろう」

いや,日常の話じゃないでしょうから・・・

ことばの問題で本当に免除が可能なのか,でもどうやって免除してもらうのか?
用紙の書き方もよくわからない。

忙しくなければ調べるのも「よい経験だ」と思えるのだろうけど,何もこの1000ページマラソンのタイミングでなくても・・・。
泣きたい気分です。

NZ在住日本人にこの通知が来る確率は見当がつかないけれど,その後の経緯をまた報告します。
今後また誰かの参考になるならば・・・。
Clear