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From New Zealand 2007年7月,ニュージーランドへ移住してきました。ニュージーランドでの日常生活についてつづります。

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最近携わった教材の報告

すっかり報告が遅くなりました。

旺文社「英検3級 総合対策教本」
新作部分の問題作成を担当させていただきました。

旺文社「2010-2011年対応 英検3級 3回過去問題集」
最新2回分の内容校閲を担当させていただきました。

そのほか
旺文社「リアル英会話表現集」
の編集協力(内容校閲)を担当させていただきました。


わたしの得意レベルは・・・,英検でいうと準2級レベルがぴったりなのですが,いまだ3級や中学英語の仕事がメインのも~です。
(高校英語の仕事ほしい~)

あと,ホームページもディレクター(笑)に頼んで,久々に更新しました。
過去の経歴,作品例は大幅に削除しました。
名前を載せていただいた教材をメインに掲載することにしたため,中学・高校教材の作品はほとんど全部削除しました。

報告にて!
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2冊、無事脱稿。

気がつけば、9月まるまる日記を書かなかったわん。
まあ、そういう時期もあるさ。

先月は中国人カップルの結婚式に行ったり、プライベートでは少しだけイベントがありました。
先週くらいからようやく暖かくなってきたオークランドです。
雨も降らなくなったし、これからどんどんよい気候です。

前回の日記で書いた書籍Aは、無事9/16に脱稿しました。
出版社に送っただけで、入稿はまだまだ先なのですが、刊行はどうやら来年の春ごろですね。
久々に1年がかりの長丁場ですが、出版社さんもわたしもかなり気合いが入っているので、最後までがんばります。

そして、書籍Bもようやく本日脱稿しました!

DSC03079.JPG
今回は久々にB5サイズで出力してみた。











内容をひと言で言うと、昨年旺文社さんで書かせていただいた教材、「すっきりわかる中学英語長文」の大人版です。
これは、わたくし自身が編み出した3ステップ式の学習法を有り難く採用いただいたものですが、その大人版も実現できるとは、こんな嬉しいことはありません。

本書はリスニングとリーディングを含めた問題集になります。
詳しい内容は発売の頃改めて書きます。

てな感じで、肩の荷が少し降りたも~です。
少し一息つきたいと思います。
と言っても明日1日だけかな。
今月は本業の(?)中学英語にどっぷり浸かります。

読点が「、」の間は学参以外の仕事が忙しい時、「,」の間は学参が忙しい時。
月曜日から当分「,」だな。そんな情報いらんて(笑)

おまけ。
ニュージーランドは桜の季節です。

DSC03076.JPG
Hさんちの裏庭のプラムツリー。
もう満開は過ぎてしまいました。














2冊の執筆の近況

うほー。
気づいたら1か月近くもブログを放ってました。
心配くださっている方々、何とか生きてます。

いまだ2冊の本の執筆に没頭中です。

書籍Aは、無事7月中にひと通り書き終えて、現在推敲中、9月半ばに脱稿予定です。

今日は、ちょっとだけこの本の内容を紹介したいと思います!

書籍Aはなんと、

オールイングリッシュ!

本編でこの分量です。フ~ッ。

DSCF2746.JPG












DSCF2747.JPG













ひと言で言えば、

英単語集と英英辞典をミックス

した本です。ユニット構成で、設問付き。

レベル: lower-intermediate & intermediate (中級、高校レベル、英検準2級~2級、TOEIC600以下)

目的:

英単語を英語で覚える

本書を終える頃には、市販の英英辞典が難なく使えることを目指しています。

特徴: 定義や例文、読解用素材文など、すべてシンプルな語彙で書いてあること、そして、英語で書かれた米英の単語集や辞書、教材と違って、日本人を対象に書いてあることです。
 
今回は内容がオール英語なので、ネイティブスタッフのみなさんにだいぶお世話になっています。
本書は今のところ本編だけで220ページですが、辞書を執筆する人や編集する人って本当にすごいな~と実感します。でも一方で、わたしはやっぱりこういうのが向いているかも、と思ったりw

難関(やりがい)の一つは、まさに認知語彙(読める語)と表現語彙(使える語)の観点で、要するに、多くの人がそうだと思うのですが、普段よく見る(読む)んだけど案外使わない(書かない、口に出さない)という単語があることですね。

意外な面としては、英語だけで本を書くのはそれほど苦労がないことに気づきました。
もちろん、数年前の自分には英語で本が書けるとは想像もつかなかったですが。

逆に、日英チャンポンの教材を書くほうが時に面倒があることに気づきはじめました。
「ああ、この単語、この表現を日本語で解説するのは遠回りだな・・・」とか。

書籍Aの過程ではいろんな発見があり、今後の活動に役立てて行きたいと思います。


さて、この書籍Aの推敲の間、書籍Bの原稿も、現在3分の1ほどまで進みました。
全然性質の異なる本なのでまたこれも楽しんでいます。
こちらは9月末に脱稿予定です。
脱稿の頃にはまた内容をちょっとだけお知らせしたいと思います。

ってな感じのこの頃なので、9月いっぱいは必死であり・・・。
10月以降(実際仕事はたんとあるんだけど)、

自分しかいない

プレッシャーから少し逃れて、心身共に余裕のある生活ができればな、と思います。

その頃はオークランドもよい季節になることでしょう。
 

リスニング問題作成は筆記問題作成よりも深い

高校入試やセンター試験にリスニング問題が出現したのもそれほど遠い昔のことではありません。

「問題作成」を本業としているわたくしですが,リスニング問題の作成は文法問題や読解問題などの筆記問題以上に深いものだと思っています。

日本の学校英語(一般書は別です)のリスニング台本,設問,及び解説を見る限り,英語表現の理解に焦点がとどまっていて,リスニング本来の特徴である「音」には大して重きが置かれていない気がします。
言い換えれば,例えば,リスニングの対話文問題と筆記の対話文読解に大きな差がないと言いますか。

「ああ,この問題は,本当に『聞き取る』」ことを試しているな」という良問にはなかなか出会えません。


自分の作問力は棚に上げることとして…,例えば,以下のようなテクニックはどれだけの執筆者が意識して作問しているだろうか。

1.単語レベルで,sweaterやpizza,T-shirt,boxes, teaches,過去形read,lives,などなど,筆記の発音・アクセント問題の対象になりがちな単語を積極的に使う。
・・・実際に(偶然に)使われていても,「sweaterは『セーター』。」という解説があっても「sweater [xxx]の発音を確認しよう」みたいな解説に出会えない。


2.リスニングが読解問題と大きく異なる点は,自由に後戻りできないこと。高校入試や英検4,3級など,放送はたいがい2回くり返されますが,前から順に理解するのがリスニングの特徴です。
そこに焦点を当てた作問テクニックの一つに,指示語があると思います。

例えばスピーチの設定で,

...  That is my dream. ...
Q: What is Ken's dream?

とあれば,Thatの内容はその前の部分にあります。
(ちなみに,あとの内容を指すことができるのはthisのみです)
1回目の放送では質問内容はわからないわけですかから,What is Ken's dream?という質問を聞き取ったあと,2回目の放送で,That is my dream.の「前」の部分をよく聞く,もしくは再確認しないといけないわけです。

これを,スピーチ冒頭で

Today, I'll tell you about my dream. ...

と始めると,以下の内容をよく聞くことになり,また違った意図になります。

3.接続詞も面白いポイントです。
だいぶはしょりますが,

Q Why is Ken tired?
に対して,
... I'm tired because I studied hard last night. ...

... I studied hard last night, so I'm tired. ...

A: You look tired. Are you OK?
B: Well, I studied hard last night. ...

など,いろんな攻め方があります。


4.対話文ではどれほど自然な会話にするか。
例えば,短縮形がその一つです。
会話では,I willはI'll,I am Ken.ではなく,I'm Ken.なのですね。

ちなみに,東書の1年p.10を見てみます。
「基本文」は確かにI am Emi.となっています。
でも,本文会話中ではI'm Emi.になっています。

指導書にも書いてあるのですが,文の構造を分析的に説明しやすくするため,便宜上,I am Emi.と表記しているだけで,発話ではI'm Emi.が普通なのです。
なので,基本文としてはI am Emi.でいいのですが,これが会話中,スピーチ中で使われるのはおかしいのです。

そういう大事な点が教科書にひと言あれば・・・と願うのはわたしだけではなかろう。
指導書では文末に,「『話す』活動においては,縮約形を使った言い方を主に指導したい」とある。

ちなみに,会話文中で,shouldn'tが未習なのでshould notとしなければならないストレスを,どれほどの人が感じているだろうか。

短縮形については,リスニングだけでなく,筆記の英文にも当てはまります。

文法問題集などのwillの単元はオエオエなります(笑)。
OK.  I'll see you then.
なのであって,
OK.  I will see you then.
ではないのです。

I will not meet my friend. といった英語は本当はおかしいのです。
「何が何でも友人には会わないぞ!」みたいな。

あくまで,基本文や文法確認の部分でとどめたいものです・・・。


解説に戻りますが,解説できる文字量が限られているという現状は確かにあるけれど,

「ケンは・・・と言っている。」
「・・・の部分をよく聞き取ろう。」

といった,放送本文を引用するだけの解説が多い。
手がかりとなる箇所を提示するのは確かに解説として最重要です。
しかし,「聞き取り」の意図がわかるような解説,発音記号やアクセントの観点を交えた解説に出会えないのはなぜでしょうか。

例えば,
「livesはlifeの過去形。」
という解説は筆記問題の域を超えていない。
そこにlivesの発音記号を入れるだけで,だいぶリスニング問題らしくなる気がする。

本文に故意に過去形readとredを使用して,
「readとredの発音もポイント。」
なんて解説に出会えたら感動するかも知れない。

単語レベルでなく,発話バランス,コロケーション,語呂など言い出すともっと深いです。
わたし自身,まだまだ「リスニングの良問とは?」に模索中ですが,少なくとも,ナレーターが発話しやすい文章を意識しています。

かつて,台本で「A, B, and C」という調子を使ったときに,編集者さんにバランスを崩されたことがあります。
そのとき,ふと感じました。

リスニングはリーディングじゃないのだと。
ナレーターになった気分で,実際に発話してみなければ,と。

続・ネイティブチェッカー

続きですが,もう少しネイティブチェッカーについて。

そもそも,英語教材のネイティブチェッカーってなんじゃろか?

英語ではproofreaderですが,

日本国内で,
English speakerで,
プロのproofreader
をさがすのは容易ではありません。

ですので,結果的に,ネイティブチェッカーの多くは「日本で英語を教えている方」になります。

わたしのお願いしているチェッカーの中では,現在アメリカ人は1名(JRさん)だけですが,彼はかつてアメリカの出版社で,proofreaderを職業としていた方。
日本では,中学のALTを経て,現在大学の先生,日本語検定1級,わたしにとってはパーフェクト!な条件の方です。
NKさんの紹介でしたが,こんな方に出会えるのはきっとラッキーです。
まだ若いので(わたしと同じくらい?),今後,末永く楽しみです。

当初から,チェッカーさんたちとはすべて英語でのやりとりです。
日本語ができる方でも英語です。
JRさんと昨年初めてお会いしたときは,NKさんも同席だったし,日本語で話した(←度胸なし)

お互いが両方話せる状況って面白いもんです。
先に母国語を発した者勝ち,みたいな(笑)

JRさんみたいな方とのメールでは,たまに,これは日本語,この漢字がぴったりだわ,という部分だけ日本語を交えて。(ルー大柴語の逆バージョン^^)



これまで総勢何名のネイティブさんたちと出会ったか,中にはもめたことも。

アメリカ人(泣)でしたが,君のproofreadingに対する捉え方は間違っている,などと言われたり。
要するに,editingの範囲になるようなことを,proofreadingの単価で頼んでしまったのがダメだったのです。
しばらくお付き合いは続きましたが,わたしの英語での交渉力,説得力,説明,アメリカ人の扱い方(?)なども経験不足でした。

今では,みなさんと穏和にお付き合いでき,ここ数年でようやく英語でのフィードバック(書き直しの要望や今後の注意点など)も相手に不快な思いをさせずに自然にできるようになりました。
何か要望を伝える前に,まずは褒める,とか基本的マナーもしかり。

ネイティブに執筆してもらうときも,彼らはプロのライターではないのですから(プロに頼む予算はないー),段落の流れがおかしいとか,オチをこうしたらどうか,この文とこの文を入れ換えたらどうかとか,タイトルと本文が一致していないとか,この部分とこの部分は統一させた方が読みやすいとか,ライティングの勉強などしたこともないのに,偉そうに言うわけです。

でも,内容について重箱の隅をつついたり,意地悪な指摘はしません。
多くはテクニカルなポイントです。
わたしの述べるポイントに反対された記憶はなく,「あなたの言う通りよ」「そう言われる気がしていた」とか,「(作問のポイントが)役に立つので保管しておく」などとまで言ってくれるので,何とかうまくコミュニケーションがとれていると思われる。

ネイティブスピーカーに母語について指摘するなんて,落ち着いて考えると,「ジブン,頭おかしいやろ?」(←夫がわたしに言う口癖)
しかも,中には63歳という人生のベテランも。

仮に,純粋な日本人であるわたし(決して,一生,バイリンガルではな~い!)が,英語ネイティブに頼まれて日本語の教材を日本語で書き,ネイティブに日本語の指導をされるようなもの。

でも,何も新聞記事やレポートを書かせているわけではなく,あくまで教材だから。
しかも初~中級の。

なんにせよ,ネイティブに雇われたことがない,ネイティブと一緒に会社で働いたことのないわたしにとっては,興味深い経験の連続です。

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