先日あるクライアントから,わたしの解説(TOEICPart5)について(ほかの市販の教材もそうですが),
「主語・目的語」という用語を使っても、「述語」という用語を使わず「動詞」と表現されているのはなぜか。
という質問をいただきました。とりあえず回答をまとめてみたいと思います。
回答:
「述語」は日本語でいうと,「鳥が鳴く」「山が高い」「彼は学生だ」の「鳴く」「高い」「学生だ」の類が「述語」です。(高いは形容詞,学生は名詞)
百科事典では,「述語」は主語を中心とする主部を除いた部分,すなわち動作や状態を述べる部分をさし,Jack gives Jill flowers.の述語はgives以下と説明されています。
また,英語で「述語」はpredicateと言いますが,英英辞典ではJohn went home.のwent home「帰宅した」がpredicateとなっています。
極端にいうと,例えば
Mike ( ) a student and wants to be a doctor.
の解説では,Mikeは主語,a studentは「学生」なので,空所には「~である」という意味のbe動詞が入る。
などとなりますが,これを「空所には述語が入る」とは言えません。なぜならis a studentが述語だからです。
Mike(名詞),is(動詞),a(冠詞),student(名詞)
Mike(主語),is a student(述語)
同様に,
He ( ) a doctor.の解説で,後ろに目的語があるので「動詞」が入る。とは言えても,「述語」が入るとは言いません。became a doctorで言うと,述語はbecameのみでなく3語まとめて述語なのだと判断されるからです。
わたしが見る限りでは,やはり正式には「述語動詞」を使っているようです。
もちろん解説に違和感がなければ単に「動詞」と書いて問題ないですが,to不定詞のあとの動詞や動名詞など文中のあらゆる動詞と特別したいときは単に「動詞」ではなく,「述語動詞」と書くほうが親切だと思っています。
間違っていたらだれか指摘してくださいね。
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